Oおばちゃんです。
前回からの続きで配偶者の不倫相手がシングルマザーだったときの慰謝料の話をします。
シングルマザーの不倫相手に慰謝料請求するときの流れ
シングルマザーに慰謝料を請求するときは、以下の3つの流れでおこないます。
シングルマザーと夫の不貞行為の証拠を集める
まずおこないたいのは慰謝料請求のための証拠集めです。
不倫(不貞行為)で慰謝料請求するためには、肉体関係があったことを証明する証拠が必要です。
写真や証言などを集め、慰謝料請求してもシングルマザーに「不倫していない」などと言い逃れできないくらいの証拠を集めておきましょう。
自分で証拠収集することが難しければ、弁護士や探偵などに相談するといいでしょう。
なお、肉体関係がわかる証拠が見つからなければ、他の証拠を積み上げて立証することも可能です。
慰謝料請求の前に証拠の精査などもおこないましょう。
シングルマザーに慰謝料を請求し話し合う
証拠を集めたら、次にシングルマザーに慰謝料請求です。
基本的にいきなり裁判を提起するケースは少なく、慰謝料請求は話し合い(交渉)からスタートします。
シングルマザーに慰謝料や条件(配偶者ともう会わない、求償権を放棄する、など)の交渉をおこない、シングルマザーが同意したら慰謝料の交渉は完了です。
示談書(合意書)などに慰謝料や条件についてまとめる
慰謝料について話しがまとまったら、交渉内容を示談書(合意書)などにまとめます。
示談書(合意書)は自分たちで作成することもできますが、文言な内容のミスを防ぐためにも、弁護士に依頼して作成してもらうことをおすすめします。
公文書として高い証拠能力を誇る公正証書として作成してもいいでしょう。
シングルマザーと話し合って慰謝料のついてまとまらなければ、裁判を提起します。
裁判で証拠や主張を出し合い、最終的に裁判官の判決で決着をつけるというかたちです。
裁判の途中で和解することもあります。
シングルマザーで慰謝料を払えないと言われたときの対処法
シングルマザーに慰謝料請求しても事情から「払えない」と言われることがあります。
シングルマザー側にも事情があるでしょうが、事情があるからといって慰謝料を払わなくてよいわけではありません。
資力が乏しいなどの事情があっても、不倫をしたからには責任を取らなければいけないのです。
シングルマザーから慰謝料が払えないといわれたときは、以下のような対処法があります。
興信所などで財産状況を確認する
シングルマザーが慰謝料を払えないといっても、本当に払う資産がないのか疑問です。
中には資産があるのに「払えない」といっているケースもあるのです。
興信所などで資産状況を確認し、本当に慰謝料を払えないのかどうかチェックする対処法があります。
減額や分割払いで対処する
不倫の慰謝料は原則的に一括払いですが、分割払いが許されないわけではありません。
シングルマザーと慰謝料を払ってもらう側が合意すれば、浮気の慰謝料を分割払いで受け取ることも可能です。
浮気の分割払いには、支払い中の資産状況の変化や踏み倒しなどのリスクがあります。
リスク対策のためにも、分割払いを認めるときは、公正証書を作成しておくことをおすすめします。
公正証書に執行認諾文言を入れておけば、シングルマザーが約束を破ったときに即座に強制執行できるのです。
また、慰謝料をシングルマザーが一括払いできない場合は、一括払いできる金額まで慰謝料を減額する方法もあります。
あまりに減額幅が多い場合は慎重に検討すべきですが、少し減額すれば一括払いできるようなケースでは、分割払いのリスクを避けるためにも、減額したうえで一括払いしてもらうという対処法があります。
弁護士などの専門家に依頼する
不倫慰謝料の回収方法にはいろいろな方法があります。
すでに公正証書が手元にあるのであれば、「払えない」といわれた時点で強制執行する方法などもあるのです。
また、減額や分割払いといった方法もご紹介しましたが、シングルマザー側にとっては減額幅が大きいとメリットがありますし、請求する側はあまり減額したくないのが本音でしょう。
双方の主張が上手くかみ合わず、妥協点の模索が難しいこともあるのです。
弁護士などの専門家に相談すれば、シングルマザーの態度や資産状況に合わせた適切な回収方法を提案してくれます。
シングルマザーと減額や分割払いの交渉をするときも、適切な額や条件などについてアドバイスをしてくれたり、交渉を担当してくれたりするので、話し合いがまとまりやすくなるのです。
慰謝料請求時に不倫相手にしてはいけないこと
シングルマザーに不倫の慰謝料を請求するときは、してはいけないことがあります。
不倫の慰謝料を請求するときにしてはいけないことをすると、不倫相手と深刻なトラブルになるばかりか、違法行為や迷惑行為だと判断され、逆に不利な立場になる可能性があるのです。
シングルマザーの家や職場に押しかけない
シングルマザーが慰謝料を払えないからといって、家や職場に押しかけるのはNG行為です。
シングルマザーにも名誉やプライバシーがあるので、職場の同僚などに不倫のことを吹聴することなども避ける必要があります。
シングルマザーへの暴言や脅迫に注意する
シングルマザーが慰謝料を払えないからといって乱暴な言葉を使ったり、脅迫のようなことをしたりするのはNGです。
違法行為に問われ、かえって責任を取る羽目になる可能性があります。
慰謝料が払えないからといって何をしてもいいわけではありません。
相手にも事情がある。相手にも感情がある。浮気されて腹立たしい気持ちもあるかもしれませんが、礼節を持って対応することが重要です。
冷静な対応ができず感情的になってしまう場合は、弁護士に対応を一任するといいでしょう。
シングルマザーの両親などに慰謝料の請求をしない
不倫をしたのはあくまでシングルマザーです。
シングルマザーの両親は不倫には無関係になります。
親だからという理由から不倫慰謝料の請求をシングルマザーの両親におこなうことはできません。
シングルマザーの両親が不倫の事実を知らなかった場合は、慰謝料請求によって不倫の事実を両親に知られてしまい、深刻なトラブルになる可能性もあるのです。
シングルマザーが払えないといっても、慰謝料を両親に請求することは控えましょう。
同じく、シングルマザーと親しくしている人(恋人や親族など)にも不倫慰謝料の請求はできません。
あくまでシングルマザー本人の問題であり、親しい人たちは無関係なのです。
シングルマザーの慰謝料に保証人をつけたいなどの事情がある場合は、まずは弁護士などの専門家に相談し、適切な方法で交渉をおこないましょう。
まとめ
配偶者の不倫相手がシングルマザーでも、慰謝料請求は可能です。
不倫相手がシングルマザーだった場合は、まずは証拠集めをおこない、証拠の準備ができたら慰謝料請求をして、まとまった内容を書面にまとめるなどの流れでおこないます。
シングルマザー自体に慰謝料請求は可能ですが、現実問題として慰謝料を払えないことがあります。
シングルマザーが慰謝料を払えないときは、専門家である弁護士に相談するなどの方法で対処しましょう。
慰謝料は払えないからといって払わなくてよいわけではありません。
弁護士と相談のうえで、状況にあった回収方法を講じることが重要です。